楮(コウゾ)から和紙を作るまで。その2

✴︎粗皮(そひ)をとる

「飛駒和紙を作る」第2弾。

今回も飛駒和紙保存会の皆さんにご協力頂き、作業風景を取材させてもらいました。 前回は楮(こうぞ)の皮剥き作業でしたが、今回は、その剥いた皮から外側の黒い皮を削り取る粗皮取りの作業でした。

前回乾かした皮を2日間水につけて、その後茹でて熱々の状態で黒い皮を削り取ります。 作業する人数が多ければ、前回の楮の皮剥きから粗皮取りは、流れ作業で一気にできてしまうそうです。 しかし、大掛かりにやっている団体は全国的にも少ないとのことでした。

ほとんどの和紙を作る地域ではカビないように乾燥させ、保管しながら少しずつ作業します。黒い部分を削って白い部分だけになった物を2日間干します。

その後、茹でて黒い皮の残っている箇所を取って洗います。 水を張った機械(ピーター)に入れて水流で原料を回しながら細かくカット。 次第に練った状態になるので、それを丸めて保管します。

和紙作りでよく見られる「船」といわれる水槽に丸めた原料と水を入れてフワフワにほぐす。そこに、11月に収穫した「とろろあおい」の根の部分から出るヌルヌルを入れて混ぜます。これは紙を平らにするためだそうです。

和紙作りは大変繊細な作業で暑い時期には綺麗に仕上がらないため、この地区では夏はやらずに農作業に集中します。

地道な作業を少しずつ進めて、12月半ばまでに地元の学校で使う卒業証書を納めるそうです。

聞けば聞くほど大変で根気のいる作業ですが、和紙作りの伝統は地域で長く続いていってほしいです。

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